神木 梛の木(なぎのき)
梛の木(なぎのき)
神木 梛の木(ナギの木)
梛の木は遠く中国の海南島や台湾等に自生するが、太古黒潮ラインに乗り本邦南紀四国九州島の温暖な地方に定着したイチヰ科の雌雄異株の常緑の高木です。
梛の木は伊豆半島が北限であると伝えられ、当神社の梛の故郷伊豆山神社には「此の木は他国に稀なり」と記して有り、東京の北辺当神社で育つとは、と感激して居ります(地球温暖化のためか)。
梛の木は古代より神社の境内に植えられて居り、奈良春日神社には平安期900年頃の巨木有り、伊豆山神社には今を去る1,400余年の昔、山岳信仰の道開きとも仰がれる役の行者(小角)が
   神木梛の樹上に大神の御影を拝してなぎの葉は
   千代に三千代を重ねつつ夫婦妹背の道はかはらず
                          と歌われた誌が有ります。
鎌倉の尼将軍と名をはせた北条政子が若き日に伊豆山に配流されていた源頼朝と梛の木の下で愛を誓って結ばれたロマンが良縁が結ばれる縁結びの神木とされます。後に、1192年源頼朝鎌倉に幕府を開く。
他にも梛の木の文献が数多くありますが、当熊野神社の本宮 紀州熊野神社那智の大社には平重盛が植えたといわれる樹齢1,000年の梛の巨木有り。
千古の昔より信仰熱く当神社にも「縁結び」の神々が坐します梛の木との関わり深く神木として大切に生育したいと思います。
  平成13年11月 熊野神社   案内板より

また、その名が「凪」に通じることから船乗りの信仰を集めたが、船乗りだけでなく、一般の人たちもその葉を災難よけにお守り袋や鏡の裏に入れる風習もあった。長さ4〜6cm、幅 1.7〜2cmの光沢のある葉は筋が強く、いくら引っ張っても切れないというので、夫婦の絆が切れることのないよう願いを込めて鏡の裏に入れたという話や、鏡の裏に入れておくと会いたいと思う人が鏡面に現れるという話など、この木にまつわる伝説は多い。

当神社の末社に椰野原稲荷神社があります。荒川河川敷一帯は「棚の原」と呼ばれてナギが育っていた裏付けるものとされる。対岸の川口市に元郷村があり、志茂に飛び地がありました。そこへ通うために村営の「柵の原の渡し」があった。この渡しは、大正年間に荒川放水路の開削によって姿を消しました。当社は当時まで鎮座した場所より現在の地に移築されました。 荒川に沿って流れる対岸の芝川に架かる「なぎのはし」が現存します。