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四代目三遊亭小円朝披露興業 (読売新聞夕刊・2005-05-23)
  大名跡復活 一門総出で明るく
 32年ぶりに三遊亭小圓朝の名が復活した。先代の孫弟子に当たる圓之助が、四代目を襲名したのである。「小」が付くから、小さな名前のように見えるが、明治の圓朝があまりにも偉大だったので、小圓朝も大きな名跡とされて来た。圓朝の「圓」も「朝」も貰っている名前は、他にない。 襲名披露興行は、圓楽をはじめ一門の幹部総出演とあって、420人の大入り満員。こういう興行は、主役を立てて他の演者は軽くやりがちだが、みんながそうすると物足りなくなる。そのバランスが難しい。 

  撮影・平井実
 まずは圓橘「小言念仏」、好楽「浮世床」、鳳楽「目薬」と、短いもので館内を爆笑させる。特に圓橘が余興で、新小圓朝を讃える「さのさ」を唄ったのは、よい趣向だ。
 中入り前の圓楽は、孫弟子の襲名がよほど嬉しかったのか、「中村仲蔵」を45分の熱演。これには客席も大満足。口上のあとの楽太郎は、小噺でおりて真打ちによい場を与える。
 トリの小圓朝は「天狗裁き」。主人公に次々と5人が相手をするので、人物の演じ分けが大事な噺だ。両国寄辟の披露興行(1日〜lO日)の初日にも、この噺を聞いたが、人物の色分けと、言葉のめりはりがかなり良くなった。大勢の客が引き出してくれたこともあるが、将来が明るくなった。大看板を目指して、がんばってもらいたい。
                          演芸評論家 保田武宏
 ――10日、横浜・にぎわい座。



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